18日、ゴールドスークに出かける。店に入り、ビデオを撮っていると、撮影禁止だと店員にいわれる。外に出て道行く人を撮っていると、アバヤを着た女の人が更に顔も隠して通り過ぎていく。サウジほどきびしくはないが、やはり同じ文化圏だ。ホテルに戻りプールに入る。形が3角形で変なプールだが、休暇用ということだ。ごはんを食べにタクシーでホリデーインに出かける。ジェッダのホリデーインは大したことがないが、ここはクラウンプラザという1ランク上の豪華なホテルで、日本食レストランに入る。白いトービ服のおじさんと、真っ赤な洋服を着た、造作の大きいアラビア人女性が食事をしている。日本人の感覚ではつり合いがとれないなあという感じだが、これで女性がアバヤを着ていればサウジでしょっちゅう見る組み合わせだ。もう一人、一目で単身の駐在員とわかる日本人が食事をしている。食事を終わり、シティーセンターというショッピングセンターに行く。大変大きくて人がいっぱい、ゲームセンターの音がやかましい。次にガラリアというショッピングセンターに行ってまた日本食の夕飯。アイススケート場があり、つぼはスケートをする。黒のアバヤを着たサウジ人らしき女の人がスケートを見ている。妻は宝石屋をのぞき込む。
19日、もう最終日。真っ先につぼのスケートをもう一度やりに出かけ、妻は指輪を買い、ホテルに戻って日本食の昼食。うなぎはまずく、カツ丼はおいしい。抹茶アイスクリームを食べ、9階でチェックアウト。これだけが高級ホテルという感じで、よくなかったなあ。サウジに転勤が決まった時、UAEという名前を聞いた。昔アラブ連盟というのがあったので、UAEというのはエジプトのことかと思ったが、そうではなくてアラブ首長国連邦といい、デュバイというのはその首長国のひとつで、中東の香港、シンガポールのように発展しているが、要は石油のお金で強引に西洋風のビルとショッピングセンターを作って観光客を呼んでいる都市である。酒が飲めて豚肉が食べられるのはありがたいが、労働力はサウジ同様移民だし、キンキラキンの買い物はどこで買ったって同じだし、訪れての満足感はなかった。ペルシャ湾は昔真珠を生業にしていたが、日本の養殖真珠で壊滅したそうで、ホテルにはその頃の「漁業」の様子がわかる絵が飾ってある。それから湾に停泊している船は、シンドバッドの時代からイラン、ロシアと貿易をしていたそうで、そういうことの方が郷愁を呼ぶ。もう来ることはないだろう。