リヨン駅に着く。もう11時だ。去年見た記憶と駅の構造がちがう。TGVはもうない。最悪は駅のベンチで寝るぞと宣言し、母子を待たせて駅をうろうろする。12時6分発のムラン行きがある。ムランはバルビゾンのホテルのある駅で、予約はもうないが行ってみるか、しかしタクシーがなかったらどうしようもないしとさらにうろうろすると目の前にノボテルが現れた。 予約はないがなんとか泊めてというとOK。カウンターの女性は日本語が上手。レンタカーを借りるにはどうしたらいいと聞くと、それはあしたの朝にしようという。母子の所に戻ると、母子はスーツケースを持ってさまよっていた。なかなか戻らないので不安だったのだろう。チェックインをし、部屋に入ると、お〜いいホテル。広くはないが新しくて機能的なホテル。もう安心だ。部屋を出て1階のバーでハイネケンとグレンフィディックを飲み、公衆電話でシャモニーのホテルに電話をするがかからない。駅をぐるりと歩く。去年の記憶がなかったのは、1階と2階の違いだった。部屋に戻ると母子は寝ている。シャモニーへ電話、今日は行けないが予約をキャンセルしないでと頼む。風呂に入って午前2時。大満足。

8月9日、6時に起きて、駅で10時のTGVの切符を買い、部屋に戻って朝食に行く。行列しているが、先を争う必要がなく安心して並んでいられる。すぐ順番が来て、「3人」といって席に着く。ハムがある。飢えたジェッダ人にとってなによりのごちそうである。精算し、部屋にもどるとテレビで女子マラソンをやっていて日本人が2時間30分くらいでゴールするのが映る。チェックアウトをして、10分くらい前にTGVに乗車、デッキそばの荷物置き場に荷物を置き。席が二つに分かれてしまっていたが、フランス人が家族連れと見て、頼まないのに席を変わってくれる。発車。ビデオを撮る。くろんぼの女の子が通路を通り、妻は目を合わせて破顔一笑する。車窓は時々陸橋をくぐり景色が中断するので、景色の悪いときはつぼを撮る。2時間の乗車でリヨン駅が近づく。荷物を取りに行くと、デッキは人でいっぱいで、フランス人の女の子がドアを開き放しにするために自動ドアのボタンを押し続けている。フランス人の公共精神だが、エアを切れば、開き放しになるだろうとコックを探してエアを止める。女の子はメルシという。ささやかなコミュニケーションだが、旅の醍醐味だ。

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