とにかくこっちが悪いなあとしょげながら運転し、今度は四つ角に来て左折すると、横断歩道を渡ろうとしていた老紳士が、けしからんという表情でまたかんかんにおこる。日本だと人が車を先に行かせるタイミングなので先に行ったのだが、どうやらフランスでは絶対の歩行者優先であるようだ。老紳士はシルクハットをかぶるような人ではなく、蝶ネクタイが似合うタイプの人だが、これも子どもをしつける時みたいなおこりかたで、感情まかせではない。町中に入ってまた道がわからない。しばらくすると、きのう来たところに出た。ここを曲がれば駅だ。駅の先でガソリンを入れ、きのう買いそこねたビール、ジュースを買って、こんどは道の関係もわかって合理的な道でバルビゾンに着く。ゆったりと夕食。しかしワインはべたべたと甘すぎる。

8月14日、パリへ行く。シャンゼリゼの地下駐車場に車を入れ、CD屋に入る。品数が少ない。凱旋門近くのルイヴィトンに行く。妻がハンドバッグを買うのだが、大きなバッグに目をつけるので、それじゃバッグが歩いてる、背とつりあいがとれないといって、「紳士」という感じの店員に同意を求めると、店員は「ふむ!」と言って思案するふりをする。どちらかに味方するわけには行かないから当然だが上手だ。日本は大事なお客で、これからもっと仲良くしていかなければいけないという。イルドフランスってなんですか?と聞くと、パリを囲む半径60km程の範囲で、パリはその中の島という意味で、パリ人はここに大変誇りを持っているという。女支配人風の上司と口を利くたびに、「メルシーマダム」と腰が低い。ああでもないこうでもないと延々2時間、やっとバッグが決まったが「よく忍耐してありがとう」という。いんぎんの極みだ。最後に「男物でトランクでもどうですか?」というので、いらないと答えてやっとルイヴィトンは終わり。バッグを車にしまって去年食べたルーブル近くのラーメン屋へ。去年と違っておいしくない。店には沢口靖子とか松田聖子とか小澤征爾とか有名人の色紙が飾ってあり、ビデオに収める。オペラ通りを歩いてスーパーに入り、焼きそばを買い、おみやげのチョコレートを買う。姉が行けと言っていたシャルトルに行こうと、駐車場に戻る。また出口で自動で出られない。切符を有効にしてからだよ。

ホーム../Home/Home.html
カン太の部屋../Home/Kantas_Room.html
次へ>%E3%82%AB%E3%83%B3%E5%A4%AA%E3%83%91%E3%83%AA_120.html
<前へ%E3%82%AB%E3%83%B3%E5%A4%AA%E3%83%91%E3%83%AA_118.html
最初へ%E7%9B%AE%E6%AC%A1.html