6日(月)、家に帰ると今度はアイロンが壊れている。明日は先生の家庭訪問日だが、家の中はカン太の毛だらけでそうじ器も使えず、当初山小屋にきたようだったのが、まるで犬小屋だ。「もういやだ、こんな生活!」とママはまたヒステリー。泣いてなんかいられない。たくましいパパは雑巾でじゅうたんを拭いて毛をとる。
7日(火)、ジェッダに来て1ヶ月、つぼはごはんがおいしくなくて、しかしふりかけがないので食べられず、生卵で食べさせている。しかし生卵はサルモネラ菌がいると奥さん連中の声が聞こえてくる。キッコーマンの醤油は売っているが、日本製でなくてまずい。その上キッコーマンの海賊版、「キッコキン」というのを間違って買いそうになったりしている。米はオーストラリア産のがまあまあ食べられるのだが、これも包装が似た海賊版があって、つかまされたわけではないが、ほとほといやになっている。頼んだ日本食はまだ着かず、兵糧攻めだ。追加の船便に入れる食料品を書いて日本にファックスする。醤油1L、24本。ブラウンシュガー6袋、もち3袋、カット麺5箱、ソース(中濃)5本、米酢6本、花鰹(12袋入り)6パック、さけふりかけ(6袋入り)6パック、醤油入れ、どんぶり(ラーメン用)3個、料理の本、そろばん。最後のそろばんは、学校の授業用。手抜かりだらけだ。
先生の家庭訪問が終わる。小学校3年生で、外国にいるには一番いい時ですねと美術の先生に言われる。これより小さいとみな忘れてしまい、いなかったのと同じで、これより大きいと帰国子女問題に遭遇するということだ。アイロンが直り、蛍光灯がついて部屋が明るくなり、そうじ機も直って、3年いてもいいよとママは上機嫌。
9日(木)、午後学校のサッカー。夜7時頃、紅海に桟橋を突き出したレストラン「グリーンアイランド」に行くが、8時からだという。え〜!。出直してファミリーゾーンでシシカバブを食べ、ジャムジュンにピアノのスタンドを買いに行く。つぼは車の中で寝ている。小学校3年生が暑さの中でサッカーをやって夜の10時にそりゃ眠いよな。
10日(金)、フィッシュマーケットへ行く。あたりは生臭く、大きなグロテスクな魚ばかりがごろごろしていて、わかりやすいのは海老くらいだ。たくましい人ならなんでも料理してしまうのだろうが、我が家はだめだ。一段低い所に調理場というべきか、1リアルで魚を捌いてくれるところがあって、こんなサービスがサウジでもあるんだと思う。家に帰ってピアノをスタンドにセットする。