31日(水)、パリへ戻る日。出発前にガソリンを入れる。自分でやるのでえ〜とえ〜とという感じで、気がつくとガソリンキャップをスタンドに忘れてきていた。170km/hでハンドルを手放して、ほら見て、びくともしないと妻に見せる。リヨンに入ってもうすぐ駅というところのラウンドアバウトで無理につっこみ、クラクションを鳴らされる。切符を買い、ホームに電車が入ってくる。「リヨンパルデュー、リヨンパルデュー」というフランス語のアナウンスが心地良く耳に入る。
パリリヨン駅に着く。これで見納めだとヨーロッパの典型的な駅舎を振り向きざまに眺める。もう時間がなく、地下通路でオイストラフを買うのはあきらめる。ホテルに着く。アラビアンホームズに電話をして、明日のリムジンを予約する。カン太のリードを買いにルーブル近くのデパートに買いに行く。場所がなかなかわからずうろうろする。フランスに来て、女の子はみな小柄で白粉っけがなく、清楚だなあという印象だったが、映画に出てきそうなセクシー美人がまだ明るい夕方のパリを男と歩いている。これがヨーロッパだ。やっとデパートをみつけて、カン太のリードを買う。今度はおみやげの買い物。プランタンまで歩いて、もう時間がない、ティーカップを買うのがやっとだ。今度はめしを食わねば。あわてているときにいい店に当たることはない。入った中華料理屋はおいしくもなく、店員もつっけんどん。ホテルへ戻ったときには、欲しいねと思っていたハンドバッグの店も閉まっていた。明日は早く、もう手には入らない。
8月1日(木)、チェックアウト前のあわただしい朝、冷蔵庫のジュースを物色するたびに勘定がついてくる。レセプションでもめるのはいやなので、電話をする。それは問題ではないと女の人。チェックアウトの時に言えばいいとのこと。日本と違うなあ、証拠がなくても申告すればいいんだ。来たときと同じバスで飛行場へ。冬のラマダン休みにシャモニーに来てスキーをしよう、その時カン太も連れてこようと思っているので、カウンターで犬の乗せ方を聞く。これまで何度も聞いた、「ケージに入れて、予約の時にいろいろ言って、獣医の証明を持って・・・」とやればなんとかなるだろうという返事。税金の払い戻しをする。また6時間乗って夕方ジェッダに着く。タラップを下りてバスに乗る。ターミナルを遠くに見ながら「好きじゃないけど、帰ってくるとほっとするね」と妻が言う。