3日朝、 親は飲食不可で、つぼだけがごはんを食べる。病院に着いて順調に健康診断を受ける。日本語で話せるので楽。ガイドブックで目をつけていたシーフードの店に行く。おいしい。市内に行って、明日のくるみ割り人形の切符を買う。
4日、タワーブリッジへ出かける。ロンドンは雨は降ってはいないが地面はぬれており、ほとんど0度かと思うくらい寒い。夏目漱石が見たとおなじ景色をながめ、バスに乗る。テームズ側と平行の方向にどんどん市中から遠ざかる。これではいかんとおりて反対方向のバスを待つ。「ヨーロッパだなあ!」とまわりの景色にほっぺたがゆるむ。バスに乗り、ウォータールーでおりる。イギリス人の若者が「ここだ」と親指を下に向けて合図する。イギリス人も他人に対して日本人よりずっと気さくだ。パリ行きのTGVはどうやらここから出るようだ。切符を持ってこなかったことに気づく。あわててホテルに戻り、切符を持って劇場へ。キーロフバレーのくるみ割り人形。中に入るとヨーロッパの劇場だ。当たり前だが。わかりやすい音楽と、明度の高い照明と、小柄な主役の、口を大きく開いた笑顔がクライマックスにむかってたたみかけていく。終わって万雷の拍手。こんなの見たら、誰だってにこにこするよなあ、すばらしい。
5日、カツ丼とそばを食べ、大英博物館へ。精巧を極めたからくり時計など、文字通りの博物館。ミュージカルの切符を買う。
6日、動物園に行く。寒くて誰もいない。ミュージカルはオペラ座の怪人。言葉がわからず、みなが笑っても笑えない。しかし音楽と芝居はおもしろくない。ミュージカルというのはこういうものですよというイギリス人の観客の常識がどうもなじめないからだ。ロンドンに来てから、乾燥で足のかかとがひび割れてしまい、痛い。幕間でビールを飲み、再び始まって後ろで立って見ていたら、案内の女の子が立っていてはだめだという。カン太の様にぐずぐずしていたが、「さあ早く」と女の子は職業意識120%でせかす。すみませんと観客の前を通って席についたが、大きくはないが舌打ちが聞こえた。さすがのイギリス人も舌打ちはするのだ、すみません。終わって11時、レストランを探すがない。結局ホテルにもどって食べたがろくなものはなく12時。子どもは体力で無理だ。