トスカがアンジェロ城から飛び降りておしまい。いや〜いいものを見た。余韻にゆっくりゆっくりひたりながら、皆の帰っていく様子を見ている。競技場の出口に聴衆がゆっくりゆっくり吸いこまれていく。大きなじょうごに小豆が渦を巻きながら吸いこまれていくみたいだ。人数が多いから急いだら押し合いへし合いになるところ、まわりの人との間隔をちゃんと取ってゆっくりゆっくり歩いている。さっきのソットボーチェといい、押さえの聞いた退場といい、これが市民社会だ。こんなにいいものがあるから、食べ物がおいしいはずだし、CDなんかいらないんだ。

外に出てバス停まで結構な距離を歩く。12時40分、時刻表通りバスが来た。1時、シルベストロというところでおりてホテルへ帰ったが、大満足。

13日、きょうは最後のナポリ行き。8時40分ホテルを出る。現金がなくなってきちゃって、カードで換金、カードの暗証番号なんか知らないぞといつもの数字を入れるとお金が出てきた。やれやれだ。電車でナポリに着く。先に夕方の帰りの切符を買っておく。ポンペイへ行く電車を探す。これポンペイ行く? 行く?と聞き、行く!と返事をもらって乗り込む。こじんまりしたいい電車。ベスビオ山が見えてくる。制服のおじさんが4人座席で談笑している。ビデオを撮っているのを見て、俺たちを撮れというので撮る。ポンペイに着く。まずスパゲティを食べる。おいしい。入り口はすぐそこにあって、中に入る。妻子はこれがポンペイの遺跡であることを知らない。ポンペイの遺跡というのがあるということを知らないから、ガイドブックで探し当てることがない。ナポリを見なければ死ねないから来たのだが、日本の夏と同じで暑い暑い、いくら歩いても切りがなく、小さなコロッセオみたいなのがあるところまで歩いて引き返す。遺跡を出て、駅でレモンジュースを飲む。おいしい。電車が来てしまいあわてて乗る。

ナポリへ戻り、登山電車の駅にいくためにバスに乗る。途中でおりてオペラ座に寄る。なにもやってないが、いつか来ることもあるだろう、その時のための偵察だ。突然バイクが後ろから来てビデオをひったくる。バンドを持ってぶらさげて歩いていたのでひったくられなかったが、今度は男だ、この野郎。追いかけようにもどうしようもない。それにしても人のビデオなんか盗ったっておもしろくなかろう。カメラにしても付属品がなきゃ動かないんだよ。

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