飛行場の外に出るまでの間、道には椰子の木がいっぱい植わっている。木はあるんだなと思う。飛行場を出て市内へむかう高速道路に入る。遠くに噴水が上がっているのが見える。あれは石油が噴き出しているのか?と運転手に聞く。市内に入ると明かりがこうこうとしていてにぎやかだ。30分足らずでホテルに着く。要塞のようなものすごいホテルだ。いちばんいいホテルだと運転手がいう。チェックインする。カウンターのむこうの従業員はみな立派なスーツに身を固めているが、浅黒い、ひげの男ばかりで、なんとも重苦しい。明日は9時と約束してエレベーターで上に上がる。1時半だ。バストイレの蛇口がすべて金ぶちで、豊臣秀吉の部屋に入ったようだ。着いたよと家に電話する。時差は6時間、日本は朝7時半だ。つぼがパソコンの操作について聞く。事の重大さをわかってないので助かる。

翌朝、TCを使ってチェックアウト。まだ全部なくならない。外に出るとめがねが曇る。湿気が多いんだ。シティーセンターにある、同僚のスポンサーである商社の事務所へ行く。所長が歓迎の意を示し、彼も同じバンコク経由で赴任して間もないのだが、「サウジエアの酒のないラウンジに入って、段々サウジが近づいてくるのがいやだったね」と楽しそうに話す。同感です。犬をつれて来ている人がいて、よろしくとあいさつする。ちゃんと糞の始末をしてくださいねといわれる。

シティーセンターから飛行場方向に6kmほどのところに我が社のサウジの代理店があり、そこに我が事務所は間借りをしている。サウジで仕事をするには、スポンサーがその人を招聘する仕組みになっていて、わたしのスポンサーはこの代理店である。事務所に入って、スポンサーの要人にあいさつする。いよいよアラビア人との対面だ。こんにちはというだけでなにも話せない。終わって事務所でひととおり話を聞く。今日は木曜日で半ドンなので事務所は終わり、ひるめしを食べに行く。ゲストハウスという所に着く。ソファに座るとノンアルコールビールが出てくる。のどがかわいているのでうまい。この家は商社が一般の家を借り切り、フィリピン人のコックを雇って、原則としてふだんはここでごはんが食べられる。トーフの味噌汁まで出てきて驚く。何だ、楽勝だ。

 
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