3週間が経った。これまで10日以上の外国滞在をしたことはないので3週間もすれば言葉も慣れるだろうと自分をごまかしてきた。22日(日)電話がかかる。出る。どうもクレームのようだが用件がわからない。というよりどういう状況なのかが理解できない。というよりお前は今どこにいて、うちの会社とどういう関係で何がどうなっていて何を要求しているのかがわからない。そのことを質問することができない。そのうちアカウントに回せと言っているようなので回すのか?と聞いたところ、がちゃんと切られてしまった。こういう無力感というのは日本では経験したことがない。

23日、次の出張先のクウェートの準備を始める。まず出入国ビザの申請だ。外国に出るにはパスポートの他にこのイグジットリエントリービザが必要で、最悪の場合はそのまま逃げてしまえばいいのだが、スポンサーに迷惑がかかるそうで、当然日本の我が社に対しても反逆行為となるから、犬と家族を連れてくる気の日本人サラリーマンには縁のない話だ。それにしてもこのビザは入手後1ヶ月以内に出国しないと無効になり、6ヶ月以内にサウジに戻らないとだめで、この6ヶ月という期限に何種類かあって、しかも6ヶ月が最長であるという具合で、奴隷が言うことではないが、なんとも尊大なものである。日付がアラビア語で書いてあり、アラビア暦なのでいちいち人事に有効期限の日を確かめねばならない。また種類がシングルとマルチとあって、シングルは出入国1回限り、だから緊急出国はできない。マルチは何回でも出られるが有効期限はやはり6ヶ月である。当然マルチを申請する。

この日の夜、仕事中に何度も見たプランタンという大きなデパートの中華料理屋に行く。ダンプリングはどの店にもあるようで、水餃子なので助かる。しかし店は暗く、ひげの男たちのサービスで、調度は立派だがなんともくつろがない。

4週目が終わって木曜日、日本人会のビーチパーティーという集まりに出る。紅海のアルビラドビーチというところで泳いだり、バレーボールをしたりという会合である。あこがれの紅海に行けるのだと夕方車を走らす。30分ほどでビーチに着く。運転手は3時間ほど外で待つのだが、悪いなあという気分である。受付でこんにちはと言って中に入ると、浜辺の両側がコンクリートの壁で仕切られており、幅はわずか30mほどしかない。だからプライベートビーチと言うのだが、バカなことをするものだと愉快でない。

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