皆は水着姿だが、だれも泳いでいない。かまわず水に入る。遠浅になっていて、桟橋が100mほど沖へつきだしている。桟橋沿いに歩くとも泳ぐともなく進む。沖へ出てしばらく泳いだが、何もすばらしいことはない。すぐ戻ってシャワーを浴びる。まもなく日が沈む。感動の夕日にはならないがともかく紅海の日没だ。パーティーは知り合いがいなくて、バレーボールをするわけでなく、晩飯のまずい焼き肉を日本人会会長のいるテーブルで食べる。この海岸にはがっかりしたというと、白砂青松を期待しちゃだめだよといわれる。すいかを食べる。瓜のお化けのような長いやつと、皮の色が濃い、形は日本のすいかと同じのがあって、後者がまあまあ食べられた。夜8時に終わってぬれた水着のまま外へ出て、真っ暗な中で車を探すと、運転手が先に見つけてくれた。いつもながら立派だ。
翌金曜日、仕事中にのぞいておいたヘラインターナショナルスーパーマーケットに行ってみる。アラビアンホームズから4kmほどのメディナロードぞいにある大きなスーパーマーケットである。サンダル履きで延々歩く。半分くらいのところにヘラの交差点があり、そこから店が道路沿いに並んでいて、外国に来たなあといい気分である。しかし店はほとんど閉まっている。40分かかってスーパーに着く。駐車場には車がほとんど停まっていない。おかしいなあと中に入るとがら〜んとして店は全くやっていない。床はぴかぴかの大理石風で見た目は非常に立派だ。床掃除をしている3国人に聞くと、5時からだという。え〜! これでは休みにならない。
出入国ビザがとれたので、30日(月)クウェートの領事館にビザを申請に行く。領事館にはイラクが侵攻してきたときの写真が貼ってある。カウンターで申し込むと応対がていねいである。翌日にはとれた。この週はクウェート出張の準備で終わる。11月2日(木)、朝の出勤途中で運転手が突然「アイスだ!」と叫ぶ。猛烈な雹だ。雹はすぐに雨に変わり、みるみる洪水だ。5分ほどで事務所に着く。事務所の部屋からメディナロードを見ると、サービスロードはほとんど水没している。モハメッドが遅れて事務所に着く。彼いわく、毎年11月に1回か、2〜3回大雨が降るのだそうだ。メディナロード沿いの広告塔に温度計が設置してあるが、このごろは出勤時に20度を下回っていることが多い。