ダマスカスに近づく。山の斜面に家が多いのだろう、クリスマスのように光がいっぱいだ。着陸して入国カードを書いて誰もいないカスタムを通り過ぎ、出迎えを探すがそれらしいお声がかからない。ふた回りくらいは見回したが修羅場をくぐってるのでいつまでも待たんぞとタクシーを探して乗り込む。ダマスカスまで30分ほどの行程、だんだん近づくと、飛行機からみた山の斜面の夜景がどんどん大きくなっていよいよダマスカスだと感慨が深い。小学校の時、美人の双子姉妹がいて、彼女たちの父親が当時シリアに駐在していたことから、ダマスカスの名前はずっとなじみ深いものだった、それが目の前にあるという感慨だ。

ホテルに着く。大きな回転ドアを回して中に入る。ロビーはお客でにぎやかで、派手ではないが重厚な作りが感じが良い。部屋に入るや否や外に出て探検だ。外は寒い。日本の真冬並だ。いろいろ店はあるがさすがに入りにくく、ホテルへ戻ってレストランに入る。ひげのおじさんのウェイターの愛想の良さが外国にいるな〜と思わせてくれる。部屋に戻ると、出迎えが追いかけてきていたらしく、置き手紙がある。彼らがホテルに着いたときは外に出ていたということだ。

翌朝、日本に電話。今シリアだと言うとお酒が飲めるとばあさん。部屋を出て、出迎えに会う。商社のスタッフと代理店のセールスだ。チェックアウトする。ばかに高い。電話代がホテル代と同じくらいある。日本にかけるからだと商社のスタッフが言う。セールスは髭のぎょろ目の愛嬌がある顔で、これがうわさのセールスかと握手をする。スケジュールの打ち合わせをする。打ち合わせも何も一日目の予定は単にキャンセルだ。そのことをセールスが言う。話は早い。出発。セールスの会社に寄って挨拶。ここで商社のスタッフはいなくなる。セールスとカローラに乗って出発する。ダマスカスの郊外に出たところにある何なのかはわからないが代理店の土地へ寄る。石ころががらがらで日本の終戦直後のようだ。みかんが生えていて、採って車のなかで食べる。すっぱいが非常にうまい。天然物という感じである。北へ向かう。はじめのうちは一生懸命仕事の話をしていたが、セールスが「俺は独身だ」と聞かれもしないことを言うので口を利く気がしなくなる。ホムスという町に着くが、ここはいいレストランがないので、次のタトゥースという町で昼めしにするがいいかとセールスが言うのでいいよと答える。しかしその昼飯は4時であった。

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