ジェッダに着く。犬でわからないのが、ジェッダで入国するときに検疫をするのかどうかなので、カスタムでクォランティン(検疫)はあるか?と聞くと、アフターカスタムだと答える。外に出て案内所のようなところでまた聞くとインサイドだと言う。ロンドンー東京5万キロという、朝日新聞の記者がロンドン赴任を終えるに際し、トヨペットクラウンに乗って日本に帰る旅行記があって、文庫本にしたらよいというくらいの昭和30年頃の様子がわかる記録だが、そのなかにイランで、あっちを指さしてテヘラン?と聞くとテヘランと答える、念のためイスファハン?と聞くとイスファハンと答えるという記事があるが、これだこれだとまたひとつエピソードを入手出来て嬉しい。
ベドゥインのおっさんの運転する黄色いタクシーでアラビアンホームズに帰る。右、左くらいしか英語がわからないが、あっちへ行けこっちへ行けと、もうどうっていうこともない。
翌11月30日(木)、新しい部屋の鍵を手に入れる。おとなりは犬をつれて来ている商社の人の家だ。明日の引っ越しを楽にする準備をする。コンパウンドにはリムジンと称するハイヤーがあって、予約をすればどこにでも行ける。休日は、車がない不自由さに息がつまりそうなのだが、免許を取って車を買うまではリムジンを使うしかない。夕方、ヘラインターナショナルスーパーマーケットに生活用具を仕入れにリムジンででかける。
翌12月1日(金)朝、引っ越し用に車を出してくれる約束だったが誰も来ない。いらない物はみんな捨ててごみが出るは出るは、独身者が3代続いたうじのわく部屋からアバヨ! センターのスーパーのカートを借りて、がらがらと100m程離れた新居へ強引に引っ越し、ほんの3往復もしておしまいだ。
翌々日、コンパウンドのマネージャーに、テレビがない、電話がまだ、ソファとカーテンを替えて、皿洗い機を入れてと注文をつける。おととい、車来なかったよと言うと、おー! 残業するように言っといたのだがと弁解も踊りを踊るようだ。
翌日テレビは入った。また雨が降る。