翌7日(木)、車分割払いのシェイクのサインは貰えてない。ジェネラルマネージャー補佐はもうひとりいて、彼もシェイクでジェネラルマネージャーの弟だが、彼にアメ車は170km/hしか出ない、サウジにいるんだから200km/h出るボルボが欲しいのだと言うと、スピード制限があって200km/hは出せないとしゃあしゃあと言い、アメ車がいやならおしまいだと埒が開かない。

切符屋から予定していた4月3日のサウディアジェッダ行きがキャンセルになって、4月4日のリヤド経由に変更になったと電話が来る。大変だ、全部変更だ。到着時刻は4月5日の午前2時10分で、飛行時間が長くなってカン太がかわいそうだが、もう仕方がない。

午後、シェイクが部屋に居る。直談判だ。サインが欲しいと下手に頼む。しかし、「コンペティターの車が欲しいとはけしからぬ、そんな奴は社員じゃない、お前は俺を尊敬してない」とどうみても落とせそうもない。「尊敬している」と嘘を言うが全然だめで一旦引き下がる。部屋に戻って、あんな車いやだなあ、不本意な買い物などしたことがないのに、一度決めるとそんなに簡単に気持ちは変えられないのだよ。仕方がないという結論に気持ちが傾くか何度もためしてみる。やっぱりいやだと本心は何度も顔を出す。このまま行くと、10日(日)夜にはデュバイに出掛け、13日(水)夜には戻るが、16日(土)午後にはまた出張でそのままデュバイから帰国なので、家族を連れて来たときに車は無い。このことといやなアメ車を天秤に掛けてアメ車にする事を決定。再びシェイクの部屋へ行き、アメ車にすると伝える。シェイクは上機嫌で悪いことを言って済まなかったと言うが、これがアラブ流か。全然かなわないよ。

本社の子会社の旅行代理店に、4月4日バンコクまでの便はタイ航空TG641で、切符の予約と、家族のビザ取得と、犬の予約に必要なことを書いてファクスを送る。ずっと前からエアインディアの予約を入れておいたのがぱーだ。

家に帰る車の中で「アメ車を買わされることになった。サウジの結婚みたいだ」と言うと、運転手は「はは!」と笑う。

8日(金)、旅行代理店と日本のサウディアに電話をする。タイ航空の犬の予約がとれなかったらどうしようと心配は限りない。家に電話、こちらの心配をよそに妻は楽しみにしていると気楽である。

ホーム../Home/Home.html
カン太の部屋../Home/Kantas_Room.html
次へ>%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%BB%E3%82%A4%E7%BE%8E%E4%BA%BA_47.html
<前へ%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%BB%E3%82%A4%E7%BE%8E%E4%BA%BA_45.html
最初へ%E7%9B%AE%E6%AC%A1.html