4月3日(水)、墓参りをし、いやがるカン太をケージに押し込め、いよいよ出発だが、今日は成田のホテル泊りなので出発は4時とおそい。KLMのパンフレットにあったように今日はカン太はごはんを食べていない。ケージに慣らしておくのは、そのときだけ入れるよと妻がいうのでやっておらず、結局カン太にとっては地獄の仕打ちである。出発。100m程走って左折、見送りのばあさんがバックミラーから消えて、矢は弓を離れた。カン太はわんわんわんわんと猛烈に鳴き続ける。耐えかねて、「出してあげよう」と妻が言う。そんなことをしたらあとがつらくなるだけだと心を鬼にして運転を続ける。首都高3号線を登り、谷町を右折し、レインボーブリッジを渡る。ほら、レインボーブリッジだというが、心は重い。ディズニーランドが見えてくるが、これも心が重い。順調に成田に着き、ホテルへの道もむずかしくなく、到着。なにはともあれ、ケージからカン太を出してあげる。カン太は猛然と鼻をすり付けてくる。かんちゃん、ごめんよごめんよ。こんなにひどい目に合わせて、少しは怒ってもいいのに、いやなことはすぐ忘れるのだろう。つらい。 ホテルの前の空き地で散歩をする。少しでもたくさん走らせてやろうと、妻と2人でものを投げて走らせる。再びケージに入れて、ホテルの物置のようなところで、カン太は夜を過ごす。車をレンタカー屋に返し、ホテルのレストランで夕食。亡命家族の夕食のようで、楽しさも半分である。キャセイパシフィックのスチュワーデスの一行が入って来る。乗客の悪口を言っていたと妻がいう。そうだろうなあと職業のつらさを思いやる。部屋に入る。つぼはゲームボーイしか関心がなく、それが救いだが、大人は寝る以外することがなく、寝る。

4月4日(木)、さして眠れもせず、6時に起きて物置へ行くと、カン太はケージの中で寝ている。カン太!と声をかけると、すぐ気がついて起きる。ケージから出して再びホテルの前の空き地で散歩。なんとかウンチをしてくれ、これから24時間閉じこめっぱなしだと時間を引き延ばすがウンチは出ない。再びケージに押し込める。カン太は猛烈に抵抗する。足を1本1本持ってむりやり中にいれる。いやだろうがこうしなきゃいっしょに行けないんだと泣きたい気持ちをおさえて蓋をする。必ず帰って来て、またここで散歩をするぞと心に決める。チェックアウトをし、ロビーを台車に乗せたケージが行く。カン太はわんわん鳴いている。ロビーの客がかわいそうと言う。あ〜、かわいそうだ。しかし、言い訳などせずにバスの後方にケージを積み込む。わんわん鳴いているので、乗客が何事かという顔つきでこちらを見る。

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