飛行場に着いて、広いロビーをわんわん鳴くカン太の台車がいく。もう肝が座っており、人の視線は気にしない。検疫へ行く。職員は来たかという様子で手慣れた手続きを始める。カン太をケージから出し、元気を確認し、グッドコンディションである旨を輸出検疫報告書に上書きする。再びケージに閉じ込め、ロビーに戻る。兄夫婦と姉が見送りに来ている。チェックインをする。犬の輸送代金をクレジットカードで支払うと、職員はカード会社に電話で確認をしている。万が一のことがあっても賠償要求はしませんという書類にサインする。死んでしまったらお金なんかもらってもしょうがない。誰が文句なんかいうか。チェックインを終わり、ケージのカン太、兄夫婦と姉をビデオに撮る。お茶を飲むほどの時間も無くなり、イミグレーションへ進む。手を振って中へ消える。出国カードを書き、イミグレーションを通過し、待合いで時間をつぶす。出来たばかりのターミナルできれいだ。時間が来て、バスに乗り、タイ航空に乗り込む。つぼは初めての飛行機だがゲームボーイに夢中で動き出しても何の反応もない。一旦停止し、いよいよ真っ直ぐに向いて動き出す。離陸直前の加速度で初めて顔を上げ、すごいねと言う。窓から見える地面が斜めになって離陸だ。

6時間の飛行でバンコクが見えてくる。着陸の様子をビデオに撮る。着陸の瞬間の振動でカン太はさぞびっくり、不安だろう。次のサウディアまで4時間もあり、ロビーで時間をつぶす。妻は早速安い装身具を買う。おつりのタイの紙幣には王様の肖像が描かれている。タイ人の乗客があちこちに居り、それを見て「東洋人は冴えないね」と妻がいう。冴えない理由は背が低く、姿勢が悪く、立ち居振る舞いにさっそうとしたところがないからだが、正直に言うねえ。飛行機は既に待機しているが、乗降用のフードが邪魔になって向こう側が見えない。向こう側に行けば、カン太が見えるのにとじっと待つ。それにしてもタイ人の乗客がいっぱいいて、サウジに何しに行くのだろうと思う。チェックインで「カン太の書類をよこせ、あとで返す」というので渡し、中に入り待合い室で待つ。窓の外を見ると、カン太のケージが見える。カン太だ!と皆窓際に走り寄る。「元気か聞いて!」と妻が言う。どこの誰に聞けばいいのだ、英語をしゃべるのが大変なのに。窓からビデオを撮る。間もなくカン太の台車は動き、飛行機のお尻まで行き、コンベアで斜めに上がって行く。暗くて見にくいが、確かに乗り込んだ。斜めになって、水はこぼれてしまったろうが仕方がない。

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