3.和音
合唱の練習をしていて、先生が盛んに「響かせる、響かせる」という指導をしていました。
音というのはユニゾン、オクターブ、その他不協和音にならない各種音程の和音があって、それぞれの周波数が合うとよく響きます。それは当然で振幅が増すからです。従って大きな声を出さなくても良く聞こえ、響くということになります。もうひとつ指導されたのは、会場の響きというのは会場によって違うのですが、会場に合った声を出して響かせるようにと指導されました。確かに風呂で歌うとよく響くので上手に聞こえますが、あまり響かない部屋で同じに歌った場合、下手がばれるということです。響かない部屋の方がかえって発声の練習になるとまで言われました。その発声とは前ページに述べたもので、右手を耳の横に上に上げ、さらに前方に出しながら「あ〜あ、あ〜あ」と声を出しながらのものです。喉から前方に声を出してはだめと歌いながら対比して実演してくれて、もちろん悪い例と良い例の違いはわかりますが、良い例のように歌えるのは全くスポーツと同じで体得するしかなさそうです。しかし、練習は大人数ですから個人指導はなく、自分がそのように出来ているのかがわかりません。
また、自分が出した声は喉から出ているわけですから当然顔の内部の骨を伝わって耳に達して聞こえているのですが、そうではなく、外に出た自分の声を外側を回って自分の耳に入れて聞くようにするとよいと教えられました。こうすることで、人が出している音が聞こえ、そうするとそれに合わせようという本能が働き、音が合って豊かな響きになる。実際、ずっと歌ってしまうとなかなかきれいに響かないのですが、「わ〜が思〜い」の「わ〜」だけをずっと発声すると見事に音が合って、響きが美しいというのはこういうことだとわかります。この響きを一曲を通して出し続けるのはむずかしいのですが、それには練習しかないのでしょう。しかし合唱をする人はこの響きの美しさがこたえられないから歌うのだということが今回の練習でわかりました。それから、テレビで時々観る合唱の響きがすばらしかったのだということにも今頃になって気がつかされました。 2010.3.12