5.音階とリズム
合唱の練習をしていて何度も指摘されたことに音の高さ(音程)をしっかり取ることがあります。音の高さの連なり(音階)はスロープではなくて階段だと教えられました。低い音から高い音に移るとき、連続的に周波数を移行するのでなく、一旦上に上がってからその音におりるようにということです。連続的に移行すると段につまずいてしまうので、片足を上げながら上の段におろす仕草をしながら歌うと、「ほらその通り」と歌えます。これも発声や和音と同じく練習しかなさそうですが、音というのは連続であるにもかかわらず決まった音の高さの組み合わせで出来ているのが西洋音楽であるようで、このことについては勉強して最後の方で書こうと思います。
もうひとつの音楽要素としてリズムがあります。カルメンの練習をしていて、曲が流れている途中での歌い出しに何度も失敗し、先生が手拍子を打ってくださいと言って、皆が手拍子を「1とぉ2とぉ・・」と打ちました。皆さん日本人ですねと先生は言って、「ぱんぱんぱんぱん」と手拍子をして見せます。「ぱん」とたたいてすぐ手の平を離して上に上げ、また「ぱん」とたたいて離して上に上げます。日本人の手拍子は「1とぉ2とぉ・・」の「とぉ」で手を(たたいたあと揉み手をしてから)広げるが、西洋音楽はすべて「1」「2」の最後で(揉み手をせずすぐに)広げる。ヨーロッパのビート感は日本の手拍子のようなベタッとした拍子ではなく、跳ねるビートであって、指揮とは「1(下)とぉ(上)2(下)とぉ(上)・・」と棒を上下し、いつ歌うかの合図をしているのだと教えられました。それから歌い出しのタイミングも指揮棒に合わせるというのでなく、リズムに乗って歌えばよいのだと教えられました。カラオケでは曲の進行が歌詞の色変わりで示されますが、次の歌詞の画面に移ると、いつ色が変わるのかがわからず、ぴったり歌い出せない理由もリズムが示されていないからです。
昔、ソ連の体操競技や演奏会の拍手が「ぱんぱんぱんぱん」と鳴っていて(今もそうですが)、長いこと不思議に思っていましたが、これが西洋と日本のリズムの違いだったことがわかりました。目からうろこが落ちました。 2010.3.26